イオングループ労働組合連合会   イオングループ労働組合連合会

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中期政策

1.「納得して、楽しく、働く」ことができる働きがいの高い職場を実現する

2022 年10 月に締結したイオングループ労働協約を基軸に、労連・HDsの協調的な労使関係を構築します。イオングループの持続的な成長のためには、単組の主体的な経営参画により、職場の問題を集約し改善提案を行い、労使協議会で改善策の実行と検証を繰り返すことが不可欠です。経営の施策を職場で実践し現実を創るのは私たちだという認識に立ち、「納得して、楽しく、働く」ことができる働きがいの高い職場を実現します。
また、国内最大規模の資源を最大限に活用できる内部環境の整備を実施するとともに、イオングループ労使や各社労使において、生産性を高めるための具体的な取り組みを実践できるよう、労使がともに先進的な取り組みをしている国や企業から学ぶ場を創出します。
流通・サービス産業では労働人口の減少に伴う人手不足が顕在化しています。単純定型業務のDX 化を通じて、省力化・省人化に取り組み、人によって産み出される価値ある仕事(創造性に富んだ仕事、コミュニケーション力を必要とする仕事等)に人時をシフトすることにより、働きがい・やりがいを高め、「イオンで働き続けたい」と感じることができる状態を目指します。そのために、一人ひとりの内発的動機が高まるための施策を労使で実施します。

(1)持続可能な成長を実現するための生産性向上の取り組み (2)働きがい・やりがいを高めるための取り組み

2.私たち一人ひとりの「学び」により、グループ・企業・個人の成長発展を実現する

イオン労連の組織現勢によると、組合員の女性比率は73.7%です。正社員の女性比率は37.6%、契約社員の女性比率は45.2%、短時間社員の女性比率は83.7%であり、短時間社員の女性は全組合員の65.5%を占めています。ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進する中でも、多くの組織において注力されているのは女性活躍推進の分野です。日本の女性活躍の現状は、世界標準以下という状況が続いており(2023年ジェンダーギャップ指数の総合順位は146か国中125位)特に指導的地位に就く女性の少なさが目立ちます。私たちは、女性リーダーを増やす取り組みの一つとして、短時間社員の組合活動への関与度を高めるとともに、組合役員に登用するための教育が必要です。また、イオン労連の中央役員の女性比率は25.3%にとどまっており、女性をトップリーダーに登用することが求められています。
さらに、組織の将来を担う次世代リーダーの育成は組織の持続的な発展には不可欠です。イオン労連の教育体系に基づき、地域・本部それぞれが育成の役割を担います。地域では人材の発掘、初級教育、本部では単組三役や労連中央執行委員を対象とした階層別教育を実施します。

(1)単組活動を強化するサポート教育 (2)労連運営の中核を担う人材を育成する基幹教育 (3)女性・若手の活躍推進 (4)労連としての将来を創る教育

3.組織拡大・組織強化活動を通じて、労連の総合力を発揮する

イオン労連は加盟単組数48単組、組合員数29万人の組織となり、グループの総従業員数では過半数を超える組織となりましたが、単組数はイオン㈱連結子会社175社の過半数に満たない状況です。グループ全ての従業員代表として、「未組織企業の組織化」と「加盟単組の組織率向上」を実現し、グループにおける集団的労使関係を強化します。
多様な組合員が集う連合体となったイオン労連は、加盟単組の様々な違いを認識し、それぞれの課題に沿ったきめ細かいフォローが必要です。新たに結成された単組や非専従役員で日常活動を推進している単組の組織基盤を整え組織力を強化するため、労連のサポート機能を強化します。

(1)組織化と組織拡大 (2)組織強化活動

4.イオンらしい労働条件や働き方を確立する

過去20年の賃金推移を見ると、G7諸国(米・英・加・独・仏・伊・日)の中で、日本だけがほとんど賃金が上昇することなく長期停滞が続いています。これは、日本的雇用慣行により、雇用を守って賃金を抑制することが常態化し、結果として企業の事業構造転換を遅らせたことが一つの要因です。世界における競争力を確保し、経済の好循環をまわすためには、構造的な賃上げによる魅力ある賃金・労働条件を実現することが不可欠です。
私たちは、「守るべきは、個別の仕事や事業ではなく、人そのものである」という考え方に立ち、リスキリング等への積極的な教育投資による企業の枠組みを超えたイオングループ全体での人材活用を行うことで、持続的な労働条件の向上を実現します。
また、イオングループは40万人を超えるパートタイマーを雇用している企業集団であり、私たちが流通・サービス産業におけるパートタイマーの処遇改善を牽引していかなければなりません。特に、同一価値労働同一賃金と従業員区分の撤廃(ひとつの雇用区分)については、イオングループ労使で連携して早期に実現します。さらに、誰もが働きやすく、働き続けられる、魅力ある労働条件と労働環境の実現に労使で取り組みます。

(1)構造的な賃上げと魅力ある労働条件の実現 (2)パートタイマーの処遇改善とダイバーシティ&インクルージョンの実現 (3)横断的な人材育成やグループ内雇用流動化のしくみの構築 (4)イオングループ共通福祉の持続可能性を高めるための労使協働の取り組み

5.イオン労連は社会・地域の問題を解決する

現在の日本が抱える様々な社会課題は、少子高齢化や都市部への人口集中、労働人口の減少をはじめ、私たちの事業やくらしに大きな影響を与えるものとなっています。社会や地域の問題に対して、私たちは組合員の参画とステークホルダーへの働きかけを通じて持続可能な社会を目指します。
そのためには、私たちのありたい社会を実現するための力と政策が必要です。上部団体・組織内議員との連携や、組合員の参加関与を通じて個別政策を実現します。
地域においても、組合員の主体的参画による身近な課題解決を図るとともに持続可能な地域社会をつくるため、イオン生活圏構想をはじめとした労使の取り組みやパートナー議員・友好議員との連携を通じた取り組みを進めます。

(1)政策推進活動と政治活動の日常化 (2)魅力ある地域づくりに向けて職場に根差した活動を実現する、地域執行体制への移行 (3)人材発掘・育成に向けた参加関与者の増大 (4)ステークホルダーとの関係を強化 (5)イオンピープルのボランティアマインドの醸成

6.イオンの協調的労使関係を基軸に、各国の成長・発展に貢献する

イオンのグローバル枠組み協定に基づく労使の取り組みは、世界でも高い評価を受けています。海外におけるイオンの事業領域は今後もさらに拡大し続けます。私たちはイオンの海外展開の拡大に合わせ、各国のイオングループ企業で働くすべてのイオンピープルの労働条件・労働環境の向上に向けた取り組みを進めていきます。
また、サプライチェーン上における事件・事故の未然防止や各国の情勢に対する情報収集については、関係団体とも強力に連携をして取り組みます。さらに、イオンの協調的労使関係を各国のロールモデルとして民主的労働運動の浸透につなげられるよう組織内外に向けて積極的に情報を発信します。
カンボジアワーキングキャンプについては、社会貢献やボランティアという領域に留まらず、地域経済の活性化、新たな産業の創造、地域人材の育成等、地域の発展に向けた取り組みを推進します。

(1)グローバル枠組み協定の取り組み推進 (2)スマートパートナーシップに基づいた各国の労働組合の成長・発展への支援 (3)社会貢献活動を通じて社会問題を学び、考え、地域経済や産業の発展に寄与 (4)海外で働く出向者の支援

7.活動を支える仕組みの構築

「ビジョン2035」実現のための財政の安定化・健全化に取り組み、単組の財政課題についても相互監査等を通じてお互いにサポートしながら、全体としてガバナンス強化を実現します。
また、ハラスメントは働く人が能力を十分に発揮することの妨げになるのはもちろんのこと、個人の尊厳や人格を不当に傷つける等、人権にかかわる許されない行為です。私たちが組合員をはじめとする あらゆるステークホルダーから信頼され、良好な関係を築くためにも、ハラスメントを予防し迅速に解決するためのしくみを構築します。
単組の業務負担軽減につながる業務効率化のしくみや、利便性の高い情報システム等の共通プラットフォームを確立します。

(1)ガバナンスと財政基盤の強化 (2)業務効率化・情報発信のしくみの構築

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