第41期活動方針
1.経営対策活動・労働条件改善活動
(1)グループ労使の取り組みの進化・深化
- グループ労使による5つの分科会(働きがい・生きがい、労働条件、生産性向上、未来づくり地域推進、海外労使関係)を継続して開催します。議論するテーマに合わせて各社労使のメンバーが参画し、労使専門委員会への答申を行います。労使専門委員会は分科会答申を審議し、グループ労使協議会への答申を行います。※5つの分科会の括りはテーマ設定に合わせて変更になる場合があります。
- 分科会や労使専門委員会での協議検討内容については、中央執行委員会でタイムリーに共有します。決定事項については労使双方で共有し、確実に実行します。
- グループ労使協議会で決定したグループ方針を、各社労使において推進・導入できるようにサポートをします。
(2)持続的な賃上げの実現に向けた生産性向上の取り組み
- グループ各社で持続的な賃上げの実現に向け、労使が一丸となって生産性向上の取り組みを強力に推進します。各社の生産性向上をサポートするため、加盟単組に必要なインプットや好事例などの情報を共有する機会を創出します。
- 生産性向上分科会答申に基づき、DX推進とオペレーションの標準化について調査研究を進め、適時中央執行委員会で共有します。
- デジタル技術などのテクノロジーを積極的に活用し、生産性を高めるための人への投資として各社労使だけなく、グループ労使や上部団体等と連携して、リスキリングやリカレント教育の機会を提供します。
(3)パートタイマーの処遇改善と多様な働き方の推進
- グループ労使と各社労使が連携し、各都道府県の最低賃金の引き上げ率を上回る採用給の引き上げに取り組みます。
- 短時間正社員制度の導入に向け検討を開始します。
- 育児・介護等のライフステージの変化、定年年齢の延長等の企業環境の変化に伴い、より柔軟な働き方を希望する人もライフワークバランスを実現できる多様な働き方について検討します。
(4)労使で先進的な企業や国から学ぶ
- グループ外企業や海外の様々な先進事例を研究します。具体的には賃上げを前提とした社会経済モデルや生産性の向上をテーマに学びの機会を創出します。
(5)グループ共通福祉に関する協働の取り組みの展開
- グループ共通福祉に関する正しい知識(現状の課題や社会情勢の変化等)について学び、今後の方向性について理事や代議員だけではなく労連全体で議論できる機会を創出します。
- イオン健康保険組合、イオングッドライフクラブは、理事で構成する中期課題検討会で対策を検討し、労連内でも議論します。
2.組織拡大・組織強化
(1)組織化の取り組み
- 引き続き、優先順位をつけて組織化を進めます。組合結成にあたっては早期に組織率が過半数を超える状態をつくるため、会社と調整を十分に行い、結成を進めます。
- イオン労連の取り組み内容や目指す方向性の理解を深めるため、友好労組懇談会を開催します。あわせて、友好労組・グループ内未加盟組合との関係性構築に取り組みます。
(2)組合員化の取り組み
- 従業員の総意の反映と組織防衛の観点から、安定的過半数(組織率75%以上)に満たない加盟単組は期限を決めて組合員範囲の拡大(パートタイマー・特定技能外国人・学生アルバイト)を計画します。計画の立案については担当事務局と組織局がサポートして進めます。
(3)単組サポート体制
- 地域ごとに担当事務局を配置し、地域に所在する単組の活動をサポートします。
- 単組の枠組みを超えた情報共有や企画実施の機会を必要に応じて設定します。
- 組織運営・強化サポートが必要な単組(新たに結成された単組や非専従役員で日常活動を推進している単組)を組織局がサポートします。
3.教育活動
(1)イオン労連の教育体系に基づく、単組活動を強化する教育
- 職場の近いところで課題を解決できるサイクルを定着させるため、単組委員長・書記長が主体となって各単組で課題解決セミナーが実施できるよう、サポートを行います。
- 単組のニーズに応じた教育機会を提供するため、テーマに応じた講師を派遣します。実施にあたっては単組の負担を軽減するため、教育情宣局が窓口となり講師の調整を行います。
- 労連、および単組における教育活動の充実に向け、各単組・地域に教育担当リーダーを配置し、リーダーを対象にした勉強会を実施します。
- 単組、および上部団体で実施する教育・研修の整理を行い、単組で実施すべき教育については、各単組で確実に実施ができるよう、サポートを行います。
(2)労連運営の中核を担う人材を育成する教育
- 新任中央執行委員研修、新任単組中央三役セミナー、女性リーダーセミナーを労連基幹教育と位置づけ、継続して実施します。
- トップリーダーとして、様々な環境の変化に対応できる知識・行動力の習得、ならびに視座を高めることを目的に、定期的に中央執行委員セミナーを実施します。セミナー事務局はテーマに応じて担当局が担い、全体のコーディネートは事務局長が行います。
- 労連の次代を担う真のリーダーを育成するため、ネクストリーダーセミナーを継続して実施します。
(3)女性・若手リーダーの発掘と育成
- 女性リーダーセミナー受講者をつなぎ、定期的に交流する場を提供します。
- 単組と地域会議が連携し、地域活動を通じて若手リーダーの発掘と育成を行います。また、地域のニーズに応じて若手交流会を開催し、組合活動への関与者を拡大していきます。
4.地域活動
(1)より職場に近い単位での活動推進
- モール・SC等の核となる事業所やエリアを基点とした活動に試験的に取り組みます。
- 事業所単位での活動の窓口を、加盟単組と連携して設定します。
(2)持続可能な地域づくりや地域の魅力を高める活動
- 会社のイオン生活圏に関する担当者と連携して取り組みを進めます。地域行政や、生産者支援などを通じた産業振興に関わり、持続可能な地域づくりや地域の魅力を高めます。
(3)人材の発掘・育成および参加関与者の増大
- 地域代表者について、加盟単組と地域会議が情報交換をすることで個々の特性や単組ニーズに応じた成長を促します。
- 試験的に取り組む事業所を基点とした活動を通じて、組合員とイオン労連の接点を増やします。
(4)地域執行体制の検討
- 地域執行体制の構築に向け、検討を開始します。
5.社会貢献活動
(1)ボランティアマインドの醸成
- ハートフルボランティアの各社労使・10ブロック単位での取り組みを推進し、より多くの組合員が活動に参加できるようにします。また、活動がより地域課題の解決につながることを目的に労使の推進責任者会議を年2回実施します。
- 能登半島地震の復旧・復興についてはイオン労使でプロジェクトを設置し、現地の行政・NPOと連携し、強力に推進します。
- イオン労使で運営しているボランティアWEBを活用し、グループ従業員がグループ内外のボランティア活動に気軽に参加できるしくみの構築・周知を行います。
- 社会貢献活動をグループ全体に拡げていくため、ボランティア休暇制度の導入を検討します。
(2)労使協働でイオン生活圏を創造
- イオン生活圏の取り組みを各社・地域単位で進めることができる労使協働の枠組みを検討します。
- イオン生活圏の取り組みを先行で実施する地域を特定し、その取り組み事例を全ての地域と共有しながら拡大していきます。
(3)カンボジアワーキングキャンプ&贈水の輪活動
- カンボジアワーキングキャンプを年2回実施します。
- 贈水の輪推進リーダーを単組・地域単位で設置し、新任リーダー研修及び学びの機会を実施します。
- カンボジアワーキングキャンプについてはよりカンボジアの発展に寄与することにつながる内容を検討し、提案します。
6.政策推進活動
(1)チャレンジ 2025・各級選挙への対応
- 単組別マスタープランに基づき、後援会入会者への定着活動および公民権行使の取り組みをイオン労連・加盟単組の総力をあげて実施します。また「夢・未来の会」、「くらし向上委員会」と連携し、あらゆるステークホルダーへの働きかけを通じて支援の輪を広げていきます。
- 労使共同宣言に基づき、公民権行使活動にグループ労使で取り組みます。
- 投票所の設置、投票所設置期間の拡大にグループ労使協働で取り組みます。
(2)重点政策の実現に向けて、ステークホルダーとの関係性を強化
- 第40期政治・社会政策委員会答申に基づき、働きがいある職場や持続可能な地域社会の実現を目指し「上部団体と連携して実現を目指す政策」の選定と実現に向け、UAゼンセンやパートナー議員などあらゆるステークホルダーと連携して取り組みを進めます。
- 政策実現に向けて組合員への情報発信や参画を促すとともに、私たちとともに活動するパートナー議員・友好議員の発掘・連携強化による政治活動の日常化を目指します。
- 政策実現に向けた調査研究やステークホルダーとの連携や関係を構築します。
- 政策推進活動を担うリーダーの育成を目指して、必要な知識の習得や学習機会として政策推進リーダー研修会を継続して実施します。
7.海外活動
※海外活動は、UNIグローバルユニオン、UAゼンセンと連携して取り組みを進めます。
(1)各国の事業会社の労働組合結成をサポート
- 従業員の主体的な意思と企業の健全な成長を前提に、新たに結成を目指している組織への活動を労連、加盟単組と連携してサポートを行います。
- 組織化及び組織化に伴う教育活動(現地でのワークショップ)に加盟単組と協働で取り組みます。
(2)イオンの協調的労使関係の各国への理解・浸透
- 各国で職場の課題解決や自立した組織運営を定着させるため、より職場に近い単位で現地の労働組合への継続的なサポートを行います。
- 経営幹部と従業員が協働して課題解決ができるよう、各国の事業会社単位で労使協議体制を構築し ます。
(3)労使によるグローバル枠組み協定の遵守
- サプライチェーンも含めた組織統治機能のあり方についてグループ労使専門委員会で検討し、労使で連携して課題解決に取り組みます。
(4)グローバルネットワークユニオンの連携強化
- イオングループに集う労働組合の仲間(グローバルネットワークユニオン)が団結する機会として、「イオングローバルネットワークコミッティ」を開催し、活動の「コツ・ツボ」や成功事例の共有を通じて相互に高め合います。
8.活動を支える各種の取り組み
(1)リスクマネジメント・ガバナンスの強化
- 目標達成運動をツールとし、規約・規程・協約の点検・整備を行います。
- 労連における内部統制機能の強化を目的に、全ての加盟単組を対象に相互監査を実施します。また、引き続き、各単組の会計担当者・内部監査の情報交換・スキルアップを目的に年2回会計担当者会議、年1回内部監査セミナーを実施します。
- ハラスメントの撲滅に向け、定期的にハラスメント研修を行い、知識の習得と意識の醸成をはかります。また、労連内におけるハラスメントの定義や行動規範、対処方法などを策定し、ハラスメント防止に努めます。
(2)健全な財政基盤
- 「ビジョン2035」の実現に向け、労連の組織のあり方や財政基盤の強化については定期的に課題化し、労連中執で議論します。
(3)後方業務の電子化・省力化
- 労連・単組の後方業務をより効率化するため、協業できる業務について検討し、会計担当者会議等で共有しながら進めます。
(4)UA ゼンセン共済
- UAゼンセンで実施している研修の周知や参加の呼びかけを強化し、共済内容の周知につなげます。
- 共済の手続き業務については労連として引き続きサポートし、その範囲や業務内容について見直しを検討します。
(5)タイムリーな情報連携
- 労連書庫の機能を見直し、利便性の高いシステムに改良します。
- 加盟単組と組合員をつなぐ情報ツールの導入に向け、サポートを行います。
会議体と組織体制
1.中央執行委員会(原則月 1 回、状況に応じてリモート開催)
- 方針の実現に向けた進捗確認を行うとともに、労連活動に関わる重要議案の審議等を行い、確実な執行を図ります。
2.三役会議(原則月 1 回、状況に応じてリモート開催)
- 労連運営に関わる重要事項・緊急事項の検討と、中期的な戦略の起案を行います。
3.地域議長会議(年 6 回)
- 4つの重点活動のマスタープランの起案、各地域の活動で実践した内容のノウハウを共有し、さらなる展開を図ります。
- 地域活動の課題と解決策を協議し、今後の地域活動の方向性を検討します。
4.地域事務局長会議(年 6 回)
- 地域議長会議で決定した事項の確実な遂行に向けた実務に関する情報伝達・確認を行います。また、発生する課題に対する改善策を検討します。
- 広域多事業所の地域ごとの組織体制構築に向けたサポートを行います。
5.地域会議
- 4つの重点活動を10地域で展開します。
6.書記長会議(年 4 回)
- 労連方針を踏まえた単組活動への落とし込み、統一労働条件交渉、ガバナンスや広報などの単組運営実務に関する情報交換の機会を設けます。
7.労使専門委員会分科会事務局会議
- 各分科会の事務局で構成し、分科会の進捗状況の確認と各分科会で取り扱う議題の全体調整を行います。
8.委員会・PT
- 中央執行委員会の諮問機関として下記のPTを設置します。なお、今期はすべての単組がチャレンジ2025の活動に集中できるよう委員会の設置を見送ります。ただし、イオン労連として喫緊で解決しなければならない課題や戦略会議の位置づけで実施すべきものはPTとして期間を限定して設置します。回数や頻度は必要に応じて設定します。
(1)組織課題検討 PT(年 6 回)
- 第40期に教育・ガバナンス強化PT、財政課題検討PTから答申された内容を踏まえ、具体的な改善策を策定し中央執行委員会に答申します。
(2)政治活動戦略 PT(年 6 回)
- チャレンジ2025活動における具体的施策の立案や加盟単組の活動支援および各級選挙への対応を目的に、組織内議員・重点候補の必勝に向けた取り組みを推進します。
9.局体制
(1)労働政策局
- グループ労使関係の窓口・事務局機能を担います。また2025統一労働条件交渉を進めるにあたっての方針案を策定します。
- グループ労使専門委員会、グループ労使専門委員会分科会事務局会議、書記長会議の事務局を担います。
(2)生産性向上局
- 単組と協働して、職場に寄り添い職場の問題を集約し、課題の解決に取り組みます。
- 各社労使やイオン㈱とも連携し成功事例の集約と共有を行います。また、グループ全体の働きがいや生産性の向上に関する施策を検討し、各社労使が実行できるようサポートします。
(3)政治局
- 政治活動の日常化に向けて、社会の問題を解決するための政策の策定やパートナー議員との連携を通じた政策実現の仕組みを構築します。
- チャレンジ2025マスタープランに基づく具体的な取り組みを策定し、単組の活動をサポートします。
- 政治活動戦略PTの事務局を担当します。
(4)組織局
- 海外の未組織企業も含めた組織化・組合員化の推進および友好労組との関係構築を行います。
- 組織運営・強化のサポートが必要な単組(新結成・非専従運営単組)を担当し、強力な支援を行います。
※国際担当:今期は国際担当を組織局に配置し、組織局と連携しながら海外労使関係のサポートを行います。 - 円滑な労使関係の構築や関係諸団体との連携を通じて、海外の事業会社とイオンピープルの発展と成長をサポートします。
- 国単位でのグループ労使関係の構築に向けて、ベトナムをロールモデルとして取り組みを進めます。
(5)教育情宣局
- 労連教育体系に基づいた教育活動全般を担当します。
- 組合員に対してのアカウンタビリティ(説明責任)を果たすことを促進するため、総務財務局と連携して労連と加盟単組のガバナンスを強化します。
- 単組ニーズに則した労連書庫機能の見直しやホームページ、広報物の改善に取り組みます。
- 組織課題検討PTの事務局を担当し、労連の組織課題とその改善策について中央執行委員会に答申します。
(6)総務財務局
- 労連および加盟単組の健全かつ円滑な組織運営に寄与する基盤づくり、上部団体との窓口機能や総務・財務に関連する諸活動と改善を推進します。
- 現地および国際担当と連携しながらカンボジアワーキングキャンプと贈水の輪活動を推進します。